あなたの声をまた聞かせてね

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それからしばらくして 小山と小山に腕を引かれながら 手越が病室に戻ってきた でもそこに山下くんの姿がない 「二人ともお帰り、 山下くんは一緒じゃないの?」 「…えっ?やまぴー居ないの? 病室の前にいなかったから 戻ってんのかと思った」 「そうなんだ… 俺はてっきり小山達と一緒に いるのかと思ってた…… 山下くん大丈夫かな」 その時山下くんなら 大丈夫だろうって思ったけど なんとなく胸騒ぎがした 前の時小山が屋上に走って 行った時俺がこなかったら あぶなかったって…… まさか、まさかね 山下くんに限ってそんな ことはないよね… 「…俺ちょっと山下くん探しに行ってみる なんか心配になってきた…」 そう言って松葉杖を掴もうと すると誰かの手が俺の動きを止めた 「お前は怪我人やろ? 少しは自分の体大事にしぃや ぴーは俺が探すから安心して 小山らとしげの側おったり」 いつもは俺にたいして意地悪そうに聞こえる 錦戸くんの関西弁はこの時凄く 温かくて優しい言葉だった 「何やねんそんな顔して 俺やっていつも意地悪なわけちゃうわ!」 「ふふふっ…ありがとう錦戸くん」 「…おん、じゃあ行ってくるわ」 錦戸くんは立ち上がると しげの顔を少し見て 病室を出ていった 「…ねぇねぇ小山達 こっち来てよあの木、おっきい木桜の木なんだってさ…ねっ?しげ」 きっといつかしげの笑顔が 見れる時がくるって 俺は信じてるからね
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