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俺はそんな悲しみを抱きつつ玄関へ。
「おはよう純」
「ああ、ジャスティス、まー君」
そういって指を二本たてて敬礼するように額の前にかざしあいさつする純。
長い黒髪に整った顔、女なのに妙に凛々しくカッコいい。
というのもこいつの家は空手の道場で父親が師範で大変威厳のある人である。
純がこんな風になるのは仕方ないのかもしれない。
昔俺も道場に通っていてこいつとは何度も仕合ったが一度も勝ったことがない。
そう、この清水純は俺の幼なじみ。
そして道場は俺んちの隣だ。
「さぁ、高校に行こうまー君。正義のために!」
「意味がわかりませんよ~」
純はかなり変わっている。
小さい頃一緒に戦隊物のビデオを見たところ純がハマッてしまい、「私!正義の味方になる!」と言い出したのだ。
そして、現在にいたる。
「いい加減正義の味方ゴッコはやめろよな」
「ゴッコとは心外だ。私は正義の味方だ」
「はいはい・・・」
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