新人の魔術士

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 「もぅかっこいいの代名詞と呼んでもいいくらい!」  ローブの余った袖をぶるんぶるん揺らせながら少女はカルマを褒めちぎる。  「ハァ……。」  一方カルマはどう対応したらいいかわからず、ハァで話を進め流している。  「略してかこ代!」  「いや、何で略す……。」  カルマの突っ込みにケラケラ笑いながら少女はピョンピョンその場で跳ねる。  「……おい、オレが突っ込んだだけでなんでそこまで笑いやがる。」  カルマは何故か恥ずかしくなり、下をむきつつ質問を投げ掛ける。  少女は跳ねるのをやめ、だが口元をローブの袖で隠しつつやはりムフムフと笑いカルマに向き直る。  「んー……噂とは違うかったなぁー……って。」  「噂?」  「そそ。ヴァーレンハーツの『魔王』は極悪で残忍で冷徹だッ!……て噂。」  魔王  その言葉に反応し、カルマの表情が僅かに険しくなる。  魔王  それはカルマの別名。  ヴァーレンハーツの自称魔王、カルマ・アーティ。  ヴァーレンハーツの他称神、ソラ。  これらの名前が使われるのはそう、仕事の依頼のとき
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