魔王と神のお話

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 「あー……退屈だぁ……。」  自分以外誰もいない空間で『カルマ・アーティ』は呟いた。  11月5日午後3時16分  近頃どんどん冷えこんでいき、その度冬の訪れを感じさせる時期。  カルマの服装は、黒色の長いコートにネックウォーマー。さらに、コートの下のシャツには冬のおとものカイロをはってある。  「うー…さぶっ…。」  ぶるりと震えると近くの机に置いてある暖房のリモコンをとり、一度だけ温度をあげた。  ソファに寝転びながら、時計をみる。  午後3時21分  カルマはいつもこの時間は仕事をしている。彼が経営する『何でも屋』は名前の通り、報酬さえ貰えればどんな仕事でもする。  とはいっても、街の八百屋の荷物運んだり、魚屋で魚さばいたりするのが主な仕事なのだが……。  しかし、今日に限っては依頼が何も来ず退屈な1日となっていた。  ついさっき、「あまりにもすることがないので夕飯の買い物に行ってきます。カルマさんは掃除でもしていてください」といって一緒に何でも屋を経営している同居人も出ていってしまった。  掃除はしたが、何分一人はつまらないので早く帰ってきてくれとカルマはただ切実に望むだけだった。
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