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振り向けば、そこにいたのは少女。長い黒髪が風に吹かれさらさらと舞っていた。手に持ったカバンからはゴボウやら大根やらがでていた。
そんな少女は、何故かセーラー服を着ていた。
黒いセーラー服。しかも半袖。黒いのに。
「ああ、ソラか……。」
少女の名前はソラ。カルマと共に何でも屋ヴァーレンハーツを経営している少女だった。
「これはなんの騒ぎですか?」
「なんか、魔術士が店襲ってるらしいぜ。」
「魔術士が……ですか?……。」
少し間をあけたと思うと、ソラはカルマに近づき買い物袋をグイッと前に突き付けた。
「……何だ?」
「カルマさん、買い物袋を前に突き付けられたら、さっさと持ちなさいって意味に決まってるでしょう?ついに馬鹿になりましたか?」
「ちげーよ!何でいきなりオレに持たせようとすんだよ!」
「ちょっといって成敗してきます。あのごみやろーどもを。」
ふふふと不気味に笑い、さっさとカルマに買い物袋を持たせるとソラは群がる人々をかき分け魔術士に近づいていった。
「……大丈夫かな……?」
「……さぁ?」
オヤジさんに対して明確に答えられるほど、カルマは自信がなかった。
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