狩人~滅する者

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“ミシェルったらひどい。私のこと見えないなんて” 「誰?」 “あら、声が聞こえるの?” 「あなたは誰?」 “私は風の精霊、ジルフ。嬉しいわ、こうして話せて。でも姿は見えないのね” 「うん、ごめん」 ミシェルが謝ると声は慌てたように言った。 “謝らないでよ。私、こうして話せただけでも嬉しいから。だから、今度はもっと頑張って私の姿を見てね” 「うん」 ミシェルの言葉を聞いた声の主は嬉しそうな声をあげた。ミシェルまで嬉しくなってくる。 “それじゃぁ、ミシェル。何か風の力が必要なときには呼んでね。私の名はジルフ。覚えておいて、風はあなたの味方だということを” 声が聞こえなくなると同時に周りの音が戻ってきた。おばばがミシェルの顔を覗き込んで言った。 「どうじゃった?」 「声は聞こえました。精霊の名はジルフ」 「ジルフは風の精霊王じゃ」 おばばは何を思ったか、ライトへ見えない目を向けた。 「ライト・フォン・ジェルシア。ミシェルはお前に預ける。“アヤカシ”に狙われやすからの」 「はい」 「ミシェル・ファグナ・ジュリス。お主は第一部隊に所属やな。なぁに、二人とも強いから安心するとええ」 「ありがとうございます」 ミシェルとライトは本部から出て行った。同時にルシファーが駆けてきた。手に何やらたくさんのものを持っている。 「ライト!どうだった?」 「合格だ。俺たちのチームだ」 「やったぁ!!」
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