狩人~滅する者

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ルシファーは荷物をライトに押し付けるとミシェルの手を握り、ブンブンと振った。とても爽やかな笑顔で言う。 「よかったね!!僕、嬉しいよッ!」 「うっうん」 ミシェルははにかみながらうなずいた。 ルシファーは本当にうれしいのかにこにことした笑顔はミシェルまでを明るくする。 「おい」 ライトのイラついたような声にルシファーが振り向く。ライトはミシェルに荷物を押し付けた。 ミシェルが見るとどうやら服のようだ。取り出すと正面にスリットの入ったコートになった。 中には拳銃が一丁、予備の銃創がいくつか、それから短剣が一つ入っていた。 「これは?」 「装備だ。任務のときはその服を着ろ。銃と剣はお前の好きにするといい」 ミシェルがルシファーにお礼を言うとルシファーははにかんだ笑みを見せた。 ライトは背を向けて歩き出す。ルシファーはミシェルの手を握るとライトのあとを追った。ミシェルは握られた手を見る。 「どこへ行くの?」 「僕らの家さ」 ルシファーは振り返って笑顔を見せながら言う。本当に嬉しいんだな、とミシェルは思った。 やがて着いたのはなんのことない、ただの一軒家、だと思っていた。しかし中は違った。外見からすれば中も狭いだろうと思っていたミシェルは中に入ってびっくり。中は広く、いたるところに別の部屋へ通じる扉があった。 「ここが僕の部屋。隣はライト。僕の左隣がミシェルね」 二階に上がり、部屋割りをしていく。ミシェルの部屋からは太陽の沈む様が見えた。ライトとルシファーは買い物をしてくると言って家を出る。 オレンジ色の光に照らされた部屋でミシェルは一人考え事をしていた。 「ルシファーは“堕天使”?ライトは“天使”?」
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