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ルシファーとミシェルは笑い声を立てる。
上からうるせぇという声が聞こえてきた。ライトに今までの会話が筒抜けだったようだ。
ミシェルは思わず顔を赤くした。聞かれていた。叫び声を。
「ミシェルって本当に面白いね。そこらへんの女の子はいつも気取っているよ」
「私が変って言いたいの?」
「いや、違うよ。とっても魅力的だなって言いたいの」
ルシファーは笑いをかみ殺しながらそう言う。ミシェルは少し恥ずかしくなった。魅力的などと言われたことがないのだ。
親戚の家にいる子供たちは全員が男。だから木登りや蹴鞠をして遊んでいた。だからあまり女として見られていなかったのだろう。
「ありがと?でいいのかな」
「うん」
ルシファーは袋を持ち上げる。がさごそと中で音がする。
「じゃぁご飯でも一緒につくろうか。もっとミシェルのこと知りたいな」
「私も二人のこともっと知りたい」
「僕らのことは秘密()だよ」
ルシファーは口元に指を一本持っていって言った。ミシェルの頬がふくらむ。
ルシファーはミシェルの頭に手を置いて笑った。
「そのうちに教えてあげる。今は君のことだけ知りたいから」
ルシファーはそう言いつつもキッチンへ入っていく。ミシェルが慌ててそのあとを追った。
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