狩人~滅する者

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「なぁライト。女の子が門の前にいるけど」 「女ぁ?」 「ん。歳は16~18くらいかな。中々可愛い」 「容姿はどうでもいい。使えそうか?」 「ん~微妙」 「ならば、試験だ」 カチャリと銃の標準が門の下に合わせられた。 ミシェル・ファグナ・ジュリスは“十字架の狩人”と呼ばれる組織本部の前に立っていた。 プラチナブロンドの髪は肩で切りそろえられ、碧眼の双眸は知性の輝きがあった。 世界に巣食う化け物を滅ぼす力を持って生まれたミシェルは、ここに来なければならなかった。なによりも家族の仇を討つために。 「……誰もいないのかな?」 そう呟くと同時にミシェルは後ろへ飛ぶ。彼女の体があったところに弾丸が数十発打ち込まれた。 「反射神経は合格だな」 門の上から冷静な声が聞こえてくる。ミシェルは上を向いた。 門に2人の青年が立っている。 一人は銀色に輝く髪と瞳を持つ青年。彼が銃を持っていた。 もう一人は漆黒の髪と人懐っこそうな群青の瞳を持つ青年。 2人ともすっきりと整った顔立ちをしている。銃を向けられていなければ、見とれてしまいそうだ。 「いきなり危ないじゃない!」 ミシェルは二人にむかって怒鳴った。 片方の青年が、おぅっと声を上げた。 銃を持った青年は淡々と告げる。 「ここに入るための試験だ。」 「ライト、女の子の顔に傷つけちゃだめだからな」 ライト、と呼ばれたのは銀髪の青年。彼は不機嫌そうな顔でもう一人の青年を見た。 「ルシファー、“アヤカシ”がここに入ったらどうなる。めちゃくちゃなことだ」 「別にたいしたことじゃないって。ボコボコにやられるだけだろ?」
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