3人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
「なぁライト。女の子が門の前にいるけど」
「女ぁ?」
「ん。歳は16~18くらいかな。中々可愛い」
「容姿はどうでもいい。使えそうか?」
「ん~微妙」
「ならば、試験だ」
カチャリと銃の標準が門の下に合わせられた。
ミシェル・ファグナ・ジュリスは“十字架の狩人”と呼ばれる組織本部の前に立っていた。
プラチナブロンドの髪は肩で切りそろえられ、碧眼の双眸は知性の輝きがあった。
世界に巣食う化け物を滅ぼす力を持って生まれたミシェルは、ここに来なければならなかった。なによりも家族の仇を討つために。
「……誰もいないのかな?」
そう呟くと同時にミシェルは後ろへ飛ぶ。彼女の体があったところに弾丸が数十発打ち込まれた。
「反射神経は合格だな」
門の上から冷静な声が聞こえてくる。ミシェルは上を向いた。
門に2人の青年が立っている。
一人は銀色に輝く髪と瞳を持つ青年。彼が銃を持っていた。
もう一人は漆黒の髪と人懐っこそうな群青の瞳を持つ青年。
2人ともすっきりと整った顔立ちをしている。銃を向けられていなければ、見とれてしまいそうだ。
「いきなり危ないじゃない!」
ミシェルは二人にむかって怒鳴った。
片方の青年が、おぅっと声を上げた。
銃を持った青年は淡々と告げる。
「ここに入るための試験だ。」
「ライト、女の子の顔に傷つけちゃだめだからな」
ライト、と呼ばれたのは銀髪の青年。彼は不機嫌そうな顔でもう一人の青年を見た。
「ルシファー、“アヤカシ”がここに入ったらどうなる。めちゃくちゃなことだ」
「別にたいしたことじゃないって。ボコボコにやられるだけだろ?」
最初のコメントを投稿しよう!