狩人~滅する者

4/19
前へ
/137ページ
次へ
「入れ。わが“十字架の狩人”はお前を新たなる“ハンター”として認める」 ミシェルが嬉しそうに笑う。ルシファーがミシェルの手をとった。 「ようこそ、ミシェル。僕はルシファー。君と同じ“ハンター”の一人さ」 「よろしく、ルシファー。えと」 「あぁあっちはどうでもいいよ。ほうっておけば」 ライトの額に青筋がたつ。 「ライトだ」 ライトは素っ気なく言った。ミシェルはライトとルシファーにペコリとお辞儀をする。 「これから宜しくお願いします」 そして顔をあげるともう一度笑った。ルシファーはミシェルに抱きつく。 「可愛いっ!本当、僕たちのチームでよかったっ!」 「えっ?!ちょっとルシファー?」 「ルシファー、落ち着け。まだ申請してないんだ」 「あそっか」 ルシファーは顔を赤らめながらミシェルから離れた。 ミシェルの頬は火照っていた。 ライトは呆れているかのように無表情のままだ。 「行くぞ」 「うん。ほら、ミシェルも」 「はっはい」 ミシェルはライト、ルシファーのあとを追い中に入っていった。 ミシェルを迎えたのは巨大な城下町だった。ミシェルは声も出せず、ただただ町を見回した。 「おや、ライト。やっと仲間が見つかったのか?」 「あぁ」 「よかったな。これでお前達も任務再開できるな」 「あぁ」 「がんばれよ」 「あぁ」 たくさんの人々から親しげに声をかけられているにも関わらず、ライトはそっけなく返している。 ミシェルは少しライトをにらみつけた。傍らでルシファーが笑う。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加