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 ファミレスのいつもの場所に、八牛さんはちょこんと座っていた。  「おはよう。今日は冷えるね」  「…………」  まだ数える程しか会っていない僕に対して、何故彼女はこうもにこやかに接せるのだろう。  「どうしたの? 早く座りなよ」  「…………うん」  褐色のシートに腰を落ち着かせ、テーブルに目を移す。  纏められたメニューの束。水のつがれたコップ。しゅわしゅわと音を立てて踊るメロンソーダ。  そして……。  
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