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「だからさ、予定調和じゃないって事らしいの」
八蜜がソーダの沁みきったアイスを掬う。
「第一次世界大戦が起きたのも、ジョンレノンが殺されたのも、キミが私に出会えたことも全部悪い偶然でしょ?」
「他の二つはともかくとして、僕は君と出会えたことが悪いだなんて思った事はないよ八蜜」
「キミにとってではないよ。世界にとって。世界はキミの死を騙されて受け取るわ。世界は私とキミに嘘をつかれて回っていくの」
ぐるぐる。
ぐるぐる。
八蜜は白濁とした銀のスプーンを回す。
「もしも神様がいるのなら、こんな悪い偶然は起こさないわよね」
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