黒ノ反逆者

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あれは、任務で病気の少女の魂を迎えに行った時の事だった。 「…、あなたは誰なの?」 普通、人間には天使の事は見えないのだが、死が近い者には天使が見えるらしい。 「俺は、お前を迎えにきた」 「天使、なの?」 「魂を迎えに来た悪魔だ」 「ふふふ、嘘ばっかり。私には、その翼は真っ白に見えますけど?」 「俺は、翼が真っ白な悪魔なんだ」 「そうなのですか。人間が想像した悪魔とは違っているんですね」 「そうみたいだな」 俺は、自分が天使だという事を隠したい訳ではなかった。 初めてあの少女を見たときに少女が見せた笑顔が俺は好きで、 あんな冗談を言ってたのかもしれない。 それから、俺は何日もあの少女と話をした。 少女は本当に病気なのかわからないくらいよく笑っていた。 しかし、着実に病気は彼女の体を蝕んできていて… 魂を送る日には、彼女は痩せ、もう意識もあまりなかった。
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