魔境邂逅の門

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レイの冷たい声が届いた瞬間、天空に巨大すぎる魔法陣が展開された。 漆黒に染まった巨大な魔法陣は直径数百メートルはあるであろう規模だ。 これほどの規模の魔法陣となれば、破壊力や術の精度は計り知れない。 「これほどの魔法陣を一瞬で?」 「いや?お前と戦い始めた時から少しずつ構成していたのさ。お前は気づいていなかったみたいだがな」 不覚だ。そう呟きたくなるほど、天空に浮かび上がる魔法陣は圧倒的だった。 そして、レイがゆっくりと魔槍を天空の魔法陣に向けてあげる。 「さぁ、見るがいい!!これこそが魔王最大の力、魔境邂逅の門だ!!」 ザンッ!! 地上から振るった槍が、まるで次元を切り裂いたかのように漆黒の魔法陣を切り裂いた。 巨大な魔法陣の中央を切り裂いた赤い傷。 すると、傷口からゆっくりと巨大な手のようなものが現れた。 まるで両手で傷口を広げるように、ゆっくりと赤い出口が広がって行く。 そして、その向こう側にいる存在が少しずつ姿を見せる。 「こ、これは…」 神召喚士と呼ばれるヴァンですら、驚きを隠せなかった。 召喚術に関して、ヴァン以上の使い手は存在しない。 それすなわち、召喚術全般に長けているということでもある。 そのヴァンが、見たこともない存在が天空に現れていた。
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