動き出す悪魔

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男の名は、天海 閃(アマミ セン)。 15代目神帝王、天海 蓮の実兄である。 覇王を名乗り、魔界で密かに暮らしていた。 が、今は違う。 魔界を始め、世界を終わらせるため動き始めた。 全てはあの日が始まり。 愛する者を、神帝に奪われてから。 千の人間を助けるために、一の人間を切り捨てた。 その一人こそが、閃の愛する女性だった。 悲しんだ。 涙した。 怒った。 憎んだ。 殺してやりたかった。 自分が何で神帝に仕えていたのかすら分からなくなった。 何が正しくて、何が間違っているのかすら分からなくなった。 ただ分かることは一つ。 神帝がいる、この世界は間違っている。 ということだけだった。 そして閃は決意した。 神帝を消し去ってやろうと。 「ようやく時が来た。 同士諸君。 今日から始めようじゃないか。 俺たちが終わらせ、新たに始める世界を」 閃は目の前に立つ者たちに向かって笑うように言葉を発した。 そして、この日。 今後の歴史上最も悲惨な男が扉を開いた―――。
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