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「たった数日なのに、やけに久しぶりに感じるね」
女性が周囲を見渡して、嬉しそうに呟いた。
「だな。戦況がどうなってるか確認しねぇとな」
「そうだね」
女性が頷いた時、男が首を傾げた。
「どうかした?」
「いや、アテナ。お前いつも敬語で喋ってなかったっけ?」
「え?」
女性、アテナ・リューゼンはキョトンとした表情で男を見ている。
そして、はっと口に手を当てた。
「本当だ…。もしかして天界で神様を宿したことが影響してるのかな?」
アテナ・リューゼンという女性は上流階級のハーフだ。
そのため、幼い頃から大人たちが大勢いる空間で育って来た。
そのまま成長したアテナは、21歳の今でも敬語をベースにした話し方がメインになっていた。
「理由はどうであれ、俺はその方がいいと思うよ」
「聖…。うん、ありがとう」
アテナは、天海 聖(アマミ ヒジリ)の言葉に軽く頬を赤らめて微笑んだ。
さて、何故二人が光の中から現れたか。
それは、『人界』たる現世とは異なる世界、『天界』を訪れていたからだ。
天界。
神様や天使が暮らす世界だ。
天海閃に対抗するための力を得るために、天界へ向かい、そして戻って来た。
そのため、聖とアテナの中には、それぞれ『太陽神ヘリオス』と『月の女神セレネ』が宿っている。
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