2318人が本棚に入れています
本棚に追加
流石に耐え兼ねたのか、イブキはガバッと体を起こす。
「あぁもう! 終わりです!」
そして、頭から血が吹き出るんじゃないかというぐらい真っ赤な顔で、雅人の手を引っぺがす。
「はぁ……はぁ……」
二人ともいつのまにかぜぇぜぇと息を切らしていた。
「ええ―。イブキさんのケチぃ―。いいじゃないですか」
「いえ、御主人様がよくても、私が……」
「え……」
言葉を濁したイブキに、雅人は顔色を変えて椅子に座ったまま頭を下げる。
「あ……やっぱ、触られるの嫌でした……? イブキさん、すいません、調子に乗って」
「いえ、違います。頭を上げて下さい。……その……御主人様は、気にならないのですか?」
「何がです?」
最初のコメントを投稿しよう!