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『いただきまーす』
そして二人で紅茶をふぅふうと冷ましながら飲み始めた。
「ふぅ……。陽菜ちゃんがいれた紅茶って美味しいよね」
「もう、お兄ちゃんってば……ティーパックのお紅茶だから、誰がいれても一緒だよ?」
陽菜はニーソックスに包まれた膝小僧をギュッと合わせて恥じらう。
「いや、絶対美味しいって」
「うん……そう言ってもらえると、嬉しいです」
雅人に感謝の意を伝えてから、陽菜はカップを両手にもって、はにかみながら口の中だけで言葉を紡いだ。
「……陽菜も……お兄ちゃんと一緒に飲むお紅茶は、美味しいです」
「うん? なにか言った?」
「あ、い、いえ……なんでも、ないです……」
手をぶんぶんと振ってがら、また視線を下に落とす。
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