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一方、急須と湯呑みの乗ったお盆を持ったイブキは、軽く一礼してから雅人の向かいの席に座る。その動作とカッチリと着込んだロングスカートのメイド服がよく似合っていた。
「失礼いたします」
無駄な力の入っていない背筋を伸ばした綺麗な座位姿勢で、いつも通り無表情ではあるが、雅人を見るその眼鏡越しの瞳からは言い知れぬプレッシャーが放たれていた。
全員が着席したが、凛の『口撃』を受けた雅人は、まだちょっと傷が塞がってなかった。
「いいさ、今はツンでもいいさ……デレのパーセンテージが下がるほど、デレたときの破壊力が増すものなのさ……」
雅人の呟きに対して、凛がブラックコーヒーをすすってから、どうでも良さそうな口調で答える。
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