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凛が手を振り払ってぷいとそっぽを向いてしまったところで、さっきからもぞもぞしていた陽菜がおずおずと雅人に問い掛ける。
「あの、お兄ちゃん」
「なんだい?」
「お兄ちゃんは、そのぉ……ムネの大きい女の子の方が好きなのです?」
どこか弱々しい目で見つめてくる陽菜を安心させようと、雅人は愛嬌のある笑顔を向ける。
「そんなことないよ。胸の大きさが魅力にはなっても、その人を好きでいる理由とはまた違うからね」
「答えになっておりませんよ、御主人様」
陽菜の隣から、イブキが鋭い口調で糾弾してくる。
「もちろん、イブキさんぐらいの、手に収まるくらいも大好きですよ」
「お、ねーさんが突っ掛かるなんて珍しいな」
面白そうと判断したのか、凛も会話に戻ってきた。
「あれか。前、優芽先輩に言われたこと、ねーさんはまだ気にしてんのか?」
「……違います」
一瞬、間を空けてから眼鏡のブリッジをいじりつつ否定するイブキ。
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