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凛はちらっと視線を向けると、純朴な笑みを浮かべた雅人と目が合ってしまった。
「ッ! ……ばーか。勝手に言ってろ」
「もちろん。凛が折れるまで続けるさ」
「フンッ!」
鼻息で答えて、凛はへの字口で再びそっぽを向いた。
凛が無言になったところで「それにしても」とイブキが口を開く。
「御主人様は、誰に対してもその様なことをおっしゃるのですね」
湯呑みの湯気ごと凍らせそうな視線。
「大丈夫。全部本気ですから!」
「そういう問題ではありません」
「とはいえ俺の本音ですし、俺は恋の駆け引きとか出来る人間じゃないんで、自分に出来ることをするしかないんですよね」
そう言って屈託のない笑みを向ける。こうなってはイブキはもう追求のしようがない。
「……了解しました。どうぞ御自由に」
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