紅茶派の陽菜と、コーヒー派の凛と、緑茶派のイブキ。

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イブキがふう、と息を吐いたところで凛がその気持ちを代弁するように尋ねる。 「しっかしさ~、雅人のそのアホみたいに底無しの原動力はどっから来てんだよ」 「いやいや俺はただのメイド好きなエロエロ少年だよ……と言いたいところだけど、ん~、これ言っていいのかな」 「何をいまさら」と凛は眉をひそめる。 雅人は三人を見渡すと、みな話を聞く姿勢になっていたので雅人にしては珍しく躊躇しながらも話すことにした。 「うん、じゃあ話させてもらいますね。……中二のときにさ、とあるメイドさんの登場する漫画に出会って以来、『メイドさん』は俺の心の支えといっていいほどなんだ。三人に会った瞬間にプロポーズするほどにメイドさんが好きだ。もう、あのときは魂の叫びだったと言える」 静かに、しかし力強く話す雅人に、「浅いのか深いのか判断しかねる理由ですね」とイブキは呆れながら返す。 「まあ『自分の言った事には責任を持て』って親父から教え込まれた俺のポリシーってのもある。だけど、みんなとメイドとして出会えたのはきっかけであって、知れば知るほど好きになってった。俺は自分に正直なだけ」 そう言って、また気の抜けたような呑気な笑顔になった。 そして雅人と同じように「お兄ちゃんって、根は真面目な人ですよね」と陽菜も柔らかく微笑んだ。
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