紅茶派の陽菜と、コーヒー派の凛と、緑茶派のイブキ。

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陽菜は今にも泣き出しそうな顔で縮こまり、見かねたイブキがたしなめた。 「凛。落ち着きなさい」 「ちっ」 凛は露骨な舌打ちを置き土産に席から離れて自室へ足を向ける。雅人も追って立とうとした。 「おい、凛!」 「来んな!」 猛獣が威嚇するような一喝に、雅人もお互い一度頭を冷やしたほうがいいと判断。 凛の背中を見届けた後、中腰の姿勢からソファーに腰をおろし、残った二人を見る。 「……イブキさんも、陽菜ちゃんも、怒った?」 イブキは表情を変えず首を横に振る。 「いいえ。私はわかっておりますから。きっかけはなんであっても、告白を何度も断られれば御主人様が傷つかないわけがないことは」 イブキの隣で、声を出せば涙声になりそうな陽菜は無言でコクコクと頷いた。 「そっか……ありがとう」 いつも通りの雰囲気で答える二人に、雅人は再び柔和な顔に戻る。
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