ギブ・ミー・カフェイン

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―――――― 凛の部屋。 そこには各種ゲームハード、蛸足配線、漫画、CDが有象無象に置かれていて、『ごちゃごちゃ』という形容詞が似合いすぎるカオスな空間となっていた。 そしてその魔空間の主である凛はベッドに突っ伏して呻いていた。 「くっそ……なんであんなこと言っちまったかなぁ……」 ベッドをボフ、ボフ、とグーで叩いていると、突然ノックの音がして体が一瞬撥ねる。 『凛、入るぞ?』 「……」 凛が無言でいると扉が開かれ、どこか緊張を隠しきれていない雅人が入室してきた。 「ふん……何の用だよ」 凛は上体だけ起こし、睨むだけで人を射殺せそうな凶器的視線を向ける。 「言っとくけど謝りに来たとかだったら張り倒すぞ。キモオタはさっさと人形と乳繰りあってろよ。パソコン画面に鼻息荒くしてろよ」 しかし、辛辣な態度にも言葉にも、雅人は屈しない。 「……高天原の話、イブキさんから少し聞いたよ」
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