ギブ・ミー・カフェイン

6/18
前へ
/271ページ
次へ
顔は青ざめてフラフラのはずなのに、雅人の目は不滅の意志と、全てを受け入れる広大な海のような優しさにあふれていた。 一方、凛の目には、理解できないとばかりに動揺が現れていた。 「なんだよ………何なんだよ! てめぇのその目は!」 ――――今まで、男からそんな目で見て貰えたことなんてなかったのに。 「凛」 呼ばれた凛は頬を強張らせ、吊り上がった大きな目で睨む。 「うるせぇ! 気安くあたしの名前を呼ぶな! もう出てけ! 出てけよ……!」 拒絶の意志で腕を振ると、その腕を掴まれた。 「あ……こら! は、放せ!」 「嫌だ!」 「っ!?」 いつもと違う剣幕に、思わず圧倒される凛。 真ん前に立つ雅人の大きく見開かれた目の中央には、黒鉄色の瞳。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2318人が本棚に入れています
本棚に追加