食事はみんなでとりましょう

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まず、イブキのメイド服は正統派と言えるもので、濃紺のロングスカートのワンピースに白いエプロン、頭にメイドキャップと極端に肌の露出が少なく、西洋貴族に仕える家政婦を彷彿させる。 ちなみにスカートの下は黒のパンストとハーフブーツ。 一方の陽菜は、もともと裁縫が趣味であり、さらに身長の関係で合うサイズのメイド服がなかったため、「だったら作ればいい」と一から十まで自作してしまった。 しかも、陽菜と雅人が趣味趣向について熱い討論を繰り広げた結果、やたら豪勢なものが出来上がってしまった。 黒を基調としたそれは、もはやメイド服と言うよりもゴスロリ調のドレス。 短いスカート、ガーターベルト付きニーソックス、エプロン、袖口、カチューシャなどに過剰なまでにヒラヒラとした白のフリルをあしらい、陽菜の幼い顔立ちとの相乗効果でアンティークドールのような雰囲気を醸し出していた。 さらに言えば、凛も正規のメイド服を着ているわけではない。 『性に合わない』と、陽菜に頼んでスカートを短くしてもらい、スカートの下にスパッツを穿いている。足元は革靴に膝下ソックスがお気に入りであり、柔らかそうな生足を余すとこなく見せていた。 このように各々のキャラクターを反映した服を纏っているのだが、雅人が言うのはいつもと同じ、全肯定の言葉。
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