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「うるせーな今日のてめぇはどんだけ叫べば気が済むんだ。もう体の筋という筋が声帯になっちまえよ」
「どんな難病!?」
「とにかく、雅人はあたしを攻略したいんだろ? だったらこんなイベント逃すなよ?」
言って、ぷいと顔を逸らす。
凛の言葉に、雅人はつぼみが開花するように表情をぱあっと明るくさせた。
「よしきた! こんな美味しいイベント逃すわけなかろうに! そしてゲームイベントクリアのあかつきにはもちろん俺と凛でエロゲの再現を――――」
「さて、今のうちに折っておくか」
「何折るの!? せめてフラグだよね!? 凛が今掴んでる俺の左腕じゃないよね!?」
「安心しろ雅人。これは『破壊』じゃない。関節をひとつ増やす『創造』という崇高な行為だ」
「やること一緒じゃねぇか! ちょ、やめ、そっちには曲がらなーーーーっ!!!!」
こうして、西園寺家の夜は今日も騒がしく更けていく。
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