2318人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう、おにーちゃんをいじめちゃだめですぅ。みんな仲よくするですっ」
いちご柄のスリッパをパタパタさせながら、雅人のもとに駆け寄り膝をつく。
そして雅人と目線の高さを合わせ、幼子のように純粋で、聖母のように慈愛に満ちた笑みを見せた。
「ねっ? どうせならみんな笑ってるほうがいいですよね? おにーちゃん?」
「ぅはぁあぁっ!?」
陽菜の笑顔は、精神的に弱っていた雅人の自制心をたやすくへし折った。
完膚なきまでのオーバーキルである。
「ねぇもう抱きしめていい!? 抱きしめちゃっていいかな!? お兄ちゃんもう限界だよハァハァハァハァ」
理性を奪われた雅人は恍惚の笑みで息を荒くして、病人のように震える手を陽菜の肩に伸ばし――――
「あたしの妹に手ェ出すな! この性犯罪者! 浮気者!」
「以前から思っておりましたが御主人様はロリコンなのですか? そのような嗜好なのですか? いえ、別にいいんですけどね? いいんですけどね?」
最初のコメントを投稿しよう!