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「俺なんてすぐ口に出ちゃうから、いつでもお調子者扱いだよ。陽菜ちゃんはきっと、まず相手のことを考えることができる、優しい子なんだね」
「……」
無言でほんのり頬を染める陽菜の頭にまた手を置く。
今度はカチューシュの後ろ、頭のてっぺんから耳のあたりまで広範囲を大雑把にわしゃわしゃと撫でる。
「ん……あ……」
しばらく撫でていると陽菜も機嫌を直したのか、猫のように目を細める。
「陽菜ちゃんて、頭撫でられるの好き?」
「ふぇ?」
雅人はきょとんとする陽菜から手を離し、「えーと」と頬をかきながら、
「俺はこうするの好きだけど、陽菜ちゃんはどうなのかなと思って。俺一人が良ければいいものじゃないからさ」
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