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朝の西園寺邸に、肉の焼ける音と香辛料の匂いが広がる。
台所に立つイブキは流れるような手つきで肉野菜炒めをつくり、朝食で使う大皿と4つの弁当箱に分配していく。
ちなみに通学前の朝であるが、わざわざメイド服で家事を行っている。
正直、朝にいちいちメイド服を着るのは面倒だが、雅人が「朝にメイドさんに起こしてもらうのが男のロマンなんだ!」と熱弁したため、イブキは毎朝律儀に着替えてから朝の準備をしている。慣れって大事。
「これでよし、っと」
達成感を味わうように一人呟いた。
隣のコンロにあるコーンスープはすでに一度火を通してある。
最後に、トースターに食パンを入れて、準備万端。
食器を持ってダイニングに移動。セットしたのち、その流れで西園寺家の人々を起こしに行く。
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