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「でさぁ、イッチャン」
漢文のプリントをサラサラと丸写ししながら、優芽の姿をぼんやりと眺めているイブキに声をかける。
「なんでしょう?」
イブキも長年丁寧口調を続けてきたため、完全に癖になってしまっていた。しかし優芽は『イッチャンの話しやすいのでいいよ~』と意に介さないため気が置けない。
「マー君とは最近どう? ラブい方向に上手くいってる?」
「……上手くも何も、何度も言いますが私たちは主人と使用人です。それ以上でもそれ以下でもありません」
二人は何度も互いの家に遊びに行く仲であるため、優芽は雅人やメイド姉妹とも知り合いである。
特に雅人とはノリが合い、純粋な好奇心から、雅人のハーレム計画を外野の立場で楽しんでいた。
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