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雅人はもともと一般家庭の一人息子であった。
中学最後の春休みに両親が亡くなるまでは。
母は駆け落ち同前で結婚したため家のことを知らされていなかったが、祖父の西園寺晶仁は金持ちの部類であり、世話好きの晶仁のもとに身を引き取られることになった。
その際、ちょうど伯父が海外で成功を収めたため使用人を連れて現地に住居を移したので、その空き家に雅人が住むことになった。
そして専属家政婦を選ぶ際、雅人が指名したのがイブキ・凛・陽菜の三姉妹。
西園寺家・都城家にとっても雅人を引き取ることは急な話であり本家に仕えるベテランのメイドを宛がうわけにもいかず、三姉妹の実践的な家政婦修業も考え、三姉妹が専属家政婦になることに両家から特に反対もなく決定した。
むしろ最後までごねていたのは凛であるが、それはまた別のお話。
実際、晶仁の世話のほとんどは他の年配の家政婦が行っていたため、三姉妹は最初は家事に苦労した。
しかし、もともとイブキが趣味で親の見よう見真似で料理をしていたこともあり、ニヶ月経った今では特に問題なく暮らしている。
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