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返事を聞いた雅人は扉を開け、第一声で疑問を投げ掛ける。
「あれ、イブキさんもしかして寝てました? 起こしちゃってすみません」
「い、いえ。大丈夫ですよ」
「……? まあ、それならいいですけど」
本人はごまかせているつもりだろうが、毛布が丸まっていることと表情が固いことに雅人は若干の違和感を覚えていた。しかしイブキが寝ぼけているのだろうと判断。深くは突っ込まず用件を告げる。
「俺の寝巻こっちにきてません?」
「寝巻ですか。ええと……」
パソコンデスクを見ると、たたまれた自分の服に混じって男物のスエットがあるのがわかった。
「ああ、これですね。はいどうぞ」
「どうも~。ありがとう」
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