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部屋戻ったイブキは毛布に埋まったウサギのぬいぐるみを引きずり出してから、どっかりとキャスター付きの椅子に座り込む。
肺の奥から空気を押し出すように大きな溜息をつく。そしてすがりつくようにぬいぐるみを抱きしめて、顎をのせた。
心の中に澱んだものが漂っているような感覚。
(御主人様は、私といるときは、自然体ではいられないのですか?)
恋愛感情、とはまた違うかもしれないが、妹と自分を比較している事実があった。
自分が原因だろうとは思う。
リアクションに困ると、考え過ぎて無言になってしまう。
強く拒絶しているつもりはないけれど、黙り込む姿勢は、拒否と受け取られてもしかたのないことだろう。
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