抱え込まず相談しましょう

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イブキは、ちらと腕時計を見る。 「御主人様、凛、次の授業が始まりますよ。それに、周りの目もありますし」 「え?」 四人の騒ぎを聞きつけたのか、周囲の視線とざわめきが届いてくる。 「いやぁ、いいもの見れた」「あの二人は二年七組のツートップじゃないか!」「たしか黒髪の人は雅人のメイドだろ?」「なんだと!? 俺もあの黒タイツに滑り込みたい!」「あの野郎、美少女を三人も侍らせやがって……」「俺もメイドさんに首を絞められたい」「リア充爆発しろ!」「オレを止めるな!あいつを殺してオレが陽菜ちゃんから『お兄ちゃん』って呼んでもらうんだ!」「西園寺……夜道は背後に気をつけろよ……」 などなど、怨念じみた呟きが聞こえてきた。 政財界の子息・子女が多く通うこの学園では個人情報はほぼ出回っている。雅人はまあまあ有名人であり、そこには『美少女メイドが仕えている』ということも一役買っている。 それでも羨望と嫉妬が冗談の域で収まっているのは雅人の人徳と言えよう。
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