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三時間目の数学が終わって、昼休み。
イブキは後ろを振り向く。
そしていつものように、突っ伏してノートによだれの染みを作っている友人を確認。
今日はノートを開いていただけましか、と思いながら、授業中ずっと安らかな寝息をたてていた優芽を揺り起こす。
「優芽、お昼にしましょう」
「んあ……もうちょっと寝かせて……
あと5時間ぐらい」
「それでは学校が終わってしまいます」
もし、優芽が赤点をいくつかとったところで、将来有望な発明王を学校側も落第にはさせないだろうというのがイブキの考えである。
そして、そんなVIP待遇の立場であることを微塵も感じさせない、この能天気な友人はやはり大物だとしみじみと思った。
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