「いただきます」は忘れずに

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容赦なしの三連コンボをくらって、ガックリとうなだれる。 (これは……自分でも色々自覚してましたけど、人から言われると予想以上にへこみますね……) 口からぽわーっと魂が抜け出しそうなほどの悲壮感を漂わせながら「地味……地味……」と壊れた人形のように同じ言葉を呟くイブキを慰めるように、優芽はポンと肩を叩いた。 「大丈夫だよイッチャン。今の時代なら『地味っ娘萌え』ってのもあるくらいだから」 「あんまりフォローになってませんよ、それ」 「ありゃ、イッチャン意外と打たれ弱いんだねぇ。そうだ、そういう所もマー君に見せてあげればいいのに」 イブキは一呼吸置いて、眼鏡のブリッジを直す。 「それだけは、嫌です」 「へぇ。どしてイヤなの?」 「私は『優秀なメイド』でありたいんですよ。ですから、駄目なところは見せられません。御主人様を心配させたくありませんから」 「へ~」 「……何をニヤニヤしているんですか?」 「べっつに~。あーごちそうさま」 「惚気じゃありませんって」 「ん~? お昼ご飯のことだよ?」 「え、ああ、そう、ですよね。私も早く食べないと、昼休みが終わってしまいますね、ええ」 頬杖をついてニヤケ顔で眺めてくる優芽を視界にいれないようにしながら、イブキは弁当の残りを急いで片付けた。
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