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雅人は片手を挙げて労いの言葉をかけた。
「お、イブキさん。お疲れ様。もう夕食の時間か」
「はい。ですから、私は陽菜に御主人様を迎えに行くように指示したはずですが?」
「ご、ごめんなさいです……」
イブキに体温を感じさせない視線を向けられ、陽菜は申し訳なさそうにペコペコと頭をさげる。
「凛は、洗濯物は終わったのですか?」
「あー、あとはコイツの服を部屋に置いたら終わりだった。で、部屋に来てみたら、雅人が陽菜にセクハラしてたってわけだ」
「セクハラではない! コミュニケーションだ! 親睦を深めているんだ!」
「黙れ犯罪者予備軍!」
凛が形のいい眉を吊り上げて非難する。
「まったく、俺にかまってもらえないからってヤキモチ焼くなよ、凛。お前が素直じゃないってだけで、内心デレッデレなのはちゃんとわかってっから」
「そろそろお前のそのオメデタイ脳みそが本気で怖えよ!」
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