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そんな感じで三人がうだうだしている間に、最後の一人がやってきた。
「ご、ごめんなさい、遅れてしまいました」
陽菜が短い歩幅で、申し訳なさそうに駆け寄ってくる。
「いいっていいって、今来たところ」
雅人は柔和な笑顔を浮かべて、自然な動作で陽菜の頭に手をぽんとのせる。
「ひゃっ!? お、お兄ちゃん、ここ、学校だよ?」
身を縮こまらせるも、抗おうとはしない。
「へ〓、家ならいいんだ?」
雅人のいじわるな質問に陽菜は、しゅぼっ、と沸騰したように顔を赤くした。
その様子を見て、雅人はほわぁ、と蕩けた笑顔を見せる。
(か、かわいい! ああ、幸せ……!)
「家なら、とか、そういう意味じゃないですっ! だって、その……」
「大丈夫。誰も見てないよ。俺が、陽菜ちゃんに触れていたいんだ。ダメ?」
「ダメ、じゃないですけど……もう、お兄ちゃんのえっち! いじわるです!」
「うぉおぅ! いい!! 今のすごくいいっ!!」
「えぇ!? なにがですかぁ!?」
変態的で恍惚な笑みを浮かべる雅人に、陽菜はもう戸惑うしかない。
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