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その所業に対して、
「……」
イブキは桜色の唇を真一文字に結び、切れ長の目をさらに細めて猛禽類的な鋭い視線を向ける。
「イッチャン、顔恐いよ」
「ぅえ゛!?」
隣に立っていた優芽はニタニタと笑ってから、イブキを横目に陽菜に接近して右側からハグをかまし、わしわしと赤茶のくせっ毛をなでまわす。
「ハルにゃ~ん! 会いたかったよっ!」
「わ! ゆ、優芽さん!?」
陽菜は目を泳がせながら、か細い腕をバタバタと振る。しかし、その怯えるような仕草が余計に優芽の野性本能的なものを刺激した。
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