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パチッと電気をつけて、彼を観察する。
真白い肌に、黒い髪、耳にピアスが一つ。
まだ少し幼い顔をしているが、今まで見た事のないほどの美形だった。
年下(多分)相手に、不覚にも久々に胸が高鳴った。
「……ん」
掠れた、少し低い声が耳に入った。
男の子が身じろぎしている。
思わず一歩後ずさってそれを見ていると、彼は完全に目を覚ましたようだった。
交わる視線。
「お姉さん誰?香水臭いんだけど」
男の子は不機嫌そうに、こちらを見て言った。
それはこっちのセリフだ!
しかもなんて失礼な。
桜は思いっきり彼の頭を手のひらで叩いた。
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