飼い主の涙

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桜はお風呂から出て寝室に向かおうとして、足を止めた。 蓮が此方を見つめている。 ああ、そういえば居たんだっけ。 彼の分の毛布を出さなければならない。 夏だからといって、何も無いままでは風邪をひくかもしれない。 馬鹿は風邪をひかないらしいけど、残念ながら彼の成績は知らない。 というか、彼の情報は何一つ知らないのだけど。 初対面だから当たり前か。 「桜さん」 「何?蓮君」 「泣いたの?」 「え……?」 まさか、まさか、まさか。 あんな短時間泣いただけで目が赤くなっているとか?
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