‡ひなたぼっこ

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「陽菜!!授業始まっちゃうよ!!」 強引に腕を引っ張られて 私は教室へと走る。 慣れない教室。 慣れない廊下。 西館の新しい教室は、 どうも好きになれない。 1年の頃は東館で、 古い感じの廊下が好きだった。 これが学校?って 思うくらい綺麗な廊下と 教室の机。まだ1ヶ月 しか過ごしてないけど、 落ち着かない。 「陽菜は変わってるね。 みんなは新しい校舎で 喜んでるのに」 綺麗な真っ白な机に顔だけ くっつける私の頭に 下敷きを押し付けるのは、 友達の津田亜沙子。 のんびり屋の私と、 しっかり者の亜沙子。 同じテニス部に入ったことが きっかけで、私達は仲良し になった。 まだ『親友だよね!』 『うん!親友だよ』って 会話をしてないから、 堂々と親友とは言えないけど、 私は間違いなく親友だと 思ってる。 高校2年生 になったばかりの春。 今日も私と亜沙子は 平和な昼下がりを 迎えていた。  
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