第1章~なにがミラクルか分からないミラクルバー~

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「はぁ…」 ため息しかでない… お家に帰りたい… けど私のお家ってここだよね? 「なにため息ついてんのよ仁。」 「ため息つくと幸せ逃げますよぉおおお!!」 姉さんもミクちゃんもそんなこと言って… 自分が私の立場ならため息つくでしょ? 「そういえば、仁君はこの後どうするんだい? また旅に出るのかな?」 「ライルさん… いえ、師匠には家に帰れと言われたので、しばらくはシンヤサンに滞在しますよ。 どこかでアパート借りないと行けないけど…」 「ぁあ、だったら近くに社員寮建てたからそこを使うと良いよ」 ラ、ライルさんっ あなたなんていい人なんだぁああ! 「僕にとっては仁君は弟だから」 たしかに、戸籍上姉さんとライルさんは結婚しているのだから、ライルさんは私にとってお兄さんになりますね。 やっぱり優しいです(涙) 兄貴、一生付いてきます! 「だけど条件がある」 ジーンとしている私に、眼鏡の奥から鋭い眼差しを送るライルさん… さすがはギルドマスターですね。 瞳から感じる只ならぬ威圧感。 実際に戦ってみたいと分かりませんが、恐らく私並みに強い。 いや、それ以上… 「条件、とは?」 「いや、難しいことじゃないんだ。 今さ、うちのバーにはバーテンダーが居ないんだ。 だから君にバーテンダーをやってもらうよ。 いいかい?」 そう、柔和な笑みを浮かべながら話すライルさん… 私に、バーテンダーだと!? 「喜んで引き受けます!」 言ってしまった… たがしかし、この方が恐らく効率が良いだろう。 自分でアパート借りるよりは、このミラクルバーABEで働き、社員寮を使った方が楽な気がしたから… そーゆー訳で、私のバーテンダー生活が始まるのでした
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