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「はぁ…」
ため息しかでない…
お家に帰りたい…
けど私のお家ってここだよね?
「なにため息ついてんのよ仁。」
「ため息つくと幸せ逃げますよぉおおお!!」
姉さんもミクちゃんもそんなこと言って…
自分が私の立場ならため息つくでしょ?
「そういえば、仁君はこの後どうするんだい?
また旅に出るのかな?」
「ライルさん…
いえ、師匠には家に帰れと言われたので、しばらくはシンヤサンに滞在しますよ。
どこかでアパート借りないと行けないけど…」
「ぁあ、だったら近くに社員寮建てたからそこを使うと良いよ」
ラ、ライルさんっ
あなたなんていい人なんだぁああ!
「僕にとっては仁君は弟だから」
たしかに、戸籍上姉さんとライルさんは結婚しているのだから、ライルさんは私にとってお兄さんになりますね。
やっぱり優しいです(涙)
兄貴、一生付いてきます!
「だけど条件がある」
ジーンとしている私に、眼鏡の奥から鋭い眼差しを送るライルさん…
さすがはギルドマスターですね。
瞳から感じる只ならぬ威圧感。
実際に戦ってみたいと分かりませんが、恐らく私並みに強い。
いや、それ以上…
「条件、とは?」
「いや、難しいことじゃないんだ。
今さ、うちのバーにはバーテンダーが居ないんだ。
だから君にバーテンダーをやってもらうよ。
いいかい?」
そう、柔和な笑みを浮かべながら話すライルさん…
私に、バーテンダーだと!?
「喜んで引き受けます!」
言ってしまった…
たがしかし、この方が恐らく効率が良いだろう。
自分でアパート借りるよりは、このミラクルバーABEで働き、社員寮を使った方が楽な気がしたから…
そーゆー訳で、私のバーテンダー生活が始まるのでした
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