~第3章~拭えない過去

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地べたにペタンと座った後、アカネは離し始めた。 「あれは… 今から1年前 私が17の時、いつも通り過ごして居たときに それは起こった…──────────────────────────────────────────────── スワジ国港町モリサンにて そこに、金髪の女性は海を見ながら立っていた。 愛しい家族を迎えにきたから しばらくすると、一隻の漁船が彼女の元に近付いてくる。 看板からは、赤髪の青年がこちらに手を振っていた。 「お兄ちゃーーん!!!」 金髪の女性、アカネも手を振り返す 兄と呼ばれた青年は、ニッコリと笑った 「ただいま、アカネ」 「おかえり、お兄ちゃん」 港に船を停泊させる兄、アカシ。 その目に苦悩が映っていたのを、妹は見逃さない。 「お兄ちゃん? 元気ないけど?」 「あ、いや、な。 なんか最近海がおかしい。 魚が、なんだか逃げるように居なくなったんだ。 魚だけじゃなくて、鳥も、イルカも… そのせいで不漁なんだ」 「そっか… 元気出しなよ」 「アカネのパンツ見れば元気でるぞ?」 「…えっち」 「おやや~? 顔が赤いぞ~? どーしたのかなぁ~ん」 「うるさいわよっ!」 「あ、お兄ちゃん死ぬ」 そんな他愛ない話をしながら、数の少ない取ってきた魚を持ち運び、帰路に着く二人。 仲のよい兄妹だと、みんな思うだろう。
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