Prologue

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―燃える家― 今の状況を簡潔に表すなら、 この言葉が一番適切だろう。 そして、その中に一人の少年。 少年は泣いていた。 泣いている少年の周りには― ―死体―。 ついさっきまで、 少年の両親であったモノ。 そして妹であったモノ。 ―なんで、、、みんなが死ななきゃなんないんだよ。― 少年の思いは当然であった。 朝までは一緒に笑いあっていた家族が皆、死体になってるのだから。 ―なんで、俺は巻き込まれてないんだよ。― 少年は疑問であった。 皆が死んでいるのに、 自分は死んでないのだから。 ―俺に力があれば、護れたじゃないか。― 少年は悔やんだ。 力がないことに。 自分の非力さに腹がたった。 ―力が、、、欲しい! 護るための力が!― 自分には大切な物はない。 なら、違う誰かの大切な物を 護るための力が欲しいと願った 『力が欲しいか?』 ―どこからか聞こえる声― 『力が欲しいならば与えよう。しかし―』 ―一番欲しているものをくれるという声― 『この力はお前を孤独にする。その覚悟がお前にあるなら―』 少年は望む。 ―俺に、、、力を!!― 『覚悟はあるらしいな。ならば私の名前を呼べ!覚悟と、己のすべてを篭めて!』 少年は高らかに呼ぶ。 自らの相棒―パートナー―の 名前を― ―良いぜ、来い、、、― ―来いよ、、、!― 少年は示す。 ―俺はここにいる!― 自分はここに存在していると。 ―『スケェェェェェイス!』― これは、死の恐怖の誕生した 日の話であり、 少年の始まりの日の事である。
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