12人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
京都
とある建物の一室、窓のない薄暗い部屋に、とある男がいた。
「失礼します、暦様に報告です。偵察部隊からの報告ですが……」
そんな男のもとに、落ち着いた様子の男が現れた。
「全部知ってるからいいよ」
伝言役の男の報告に、暦と呼ばれる人物は口を挟んだ。
「『偵察部隊の一部が全滅した』ってことだろ?」
暦は続けて言った。
「全てお見通しでしたか」
伝言役の男は、その言葉に申し訳なさそうに頭を下げた。
「その言葉は少し侮辱違います?」
突如。
唐突に横から言葉をかけられた伝言役の男は、身を強張らせた。
最初のコメントを投稿しよう!