第二章~ 死神は若葉と共に ~

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「随分と上機嫌ね、黒沼君」 不意に後ろから冷めた声をかけられ、黒沼の肩がビクッ!と震えた。 黒沼が振り向くと、そこには、天原が立っていた。 それもとてつもなく不機嫌そうな表情で。 夜の来襲である。 「聞いてくれよ天原、俺は今度の天川祭で、いい場所に屋台が取れたんだ」 「……よかったわね」 「……わかった。俺が悪かったです、すいませんでしたっ!」 さすがの黒沼も、天原が体中から放つ冷たいオーラを察知し、即座に謝った。 しかし、それを見た天原は許すどころか、黒沼を殴ろうともしている。 逆効果というものだ。 理由もわからず謝っただけの行動は、今の天原にとっては火に油を注ぐようなものである。 「待てって天原!何怒ってるか知らないけどちゃんと謝っただろ!?」 ♪~♪~ 間一髪のところで、天原の携帯が鳴った。 天原はさらに不機嫌そうに電話に出た。
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