第一章~幸福な誘い?~

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好坂が黒沼に話かけると、教室の生徒たちが、「またかよ」とか「顔はかっこいいのにね」などとひそひそ話しを始める。 いつものことだが。 「えと、ほら、あれだ、天川祭のことを考えてたら、ついうっかり……」 「……」 黒沼の言葉に好坂は何の返答もない。 二人の間に数秒の沈黙が生まれる。 「許してやれよ好坂、黒沼は、お前と天川渡りに出ようと考えていたらしいぞ」 そんな沈黙に枯野が、禁句級の横槍(黒沼にとっては)をいれる。 「なっ、枯野てめぇ、何言って……って好坂!何で嬉しそうに抱き着こうとしてんだ!!」 本日2回目の黒沼の悲鳴が響いた。 そんな悲鳴を聞いて天原は、 「ばかね」 と1人で呟いた。
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