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「ルシフェル様が禁忌を犯したそうだ。」
「ああ、病気を治して
少女を助けたらしいぞ。」
大人達がそう噂する中、
俺は神殿の中を歩く。
「おぉ、噂をすれば」
「…なぁ、なんであんなガキが
最高位の天使なんだ?」
「知らないのか?
あいつ、傭兵時代に
何万もの悪魔を狩ってるらしい」
「いや、俺はゼレフ様に
色仕掛けしたって聞いたぞ」
「何の話?」
俺が、話に割ってはいると
大人達は話をそらす。
「えっ、あぁいやぁ、
今日も空が綺麗ですねえ」
「いつも通りの空だろ」
「そうですかぁ?あっ、
俺達用事があるんでこの辺で…」
そう言って、俺から離れていった。
「何だよ、俺がガキだとか
あいつに色仕掛けしたとか」
確かに、俺はまだガキだ。
けど、力はある。
そのおかげで、今の地位にいるんだ。
「しっかし、もうバレてんのかぁ。
これじゃあ、あいつにバレるのも」
「元気にしてたか?ルシフェル」
声の聞こえる方を向くと、
案の定、あいつ…
天界の頂点に君臨する天使である
ゼレフ・アレイスターがいた。
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